LI-6800 植物光合成総合解析システム

世界標準機のさらなる技術的革新を実現

LI-6800 ポータブル植物光合成総合解析システム



 

光合成装置を選定する上で十分な性能があります。

 

新型光源の光均一性能

均一照射の誤差は、開口部90%において±10%未満で
光合成がチャンバー開口部全体に渡って行われることを確実なものとします。

LI-6800のクロロフィル蛍光測定ユニットの光均一実測データ疑似カラーマップ(左)はLI-6800蛍光計の光強度分布を示しています。

マルチフェーズフラッシュ(Multiphase Flash™)クロロフィル蛍光測定ユニットの正中線における、光フィールドに渡る光強度の出力グラフ(右)により、照射は開口部全体において非常に均一であると言えます。

LI-6800の新たな機能

従来の優良点はそのままで新たな革新を実現

ガス分析 ガス分析
チャンバー直結デザインを継承。全てのガス交換システムの要であるガスアナライザーが、チャンバー出口(サンプル)とチャンバー入口(リファレンス)のCO2とH2Oを精密に測定します。小型アナライザーがリーフチャンバーに直結しており、優れたスピードと精度を実現します。ガスアナライザーに空気が入った瞬間、高速で空気の温度測定をすることで各測定の精度を改善します。通常のCO2ノイズは4秒のシグナル平均でis 0.1 μmol mol-1以下 (RMSノイズ 400 μmol mol-1時)です。
高速ミキシングファン 高速ミキシングファン
リーフチャンバーミキシングファンによって葉の境界層抵抗をより小さくします。葉表面とチャンバー内コンディションを合わせ、これにより気孔コンダクタンスの計算と、変化するチャンバーコンディションに対する高速な植物反応において確実性が増します。
大きなリーフチャンバーの開口部 大きなリーフチャンバーの開口部
リーフチャンバーの開口部が大きいことで、より大きな葉面積の光合成を測定することができます。これにより、サンプルとリファレンスガス濃度の大きな違いや、より高い信号対ノイズ比がわかり、より精度の高いガス交換測定ができます。
ガス拡散リークの少ない素材と設計 ガス拡散リークの少ない素材と設計
リーフレベルのガス交換測定はサンプルとリファレンス、2つのガスCO2濃度の違いによって計測されますが、ガス拡散リークがあると葉の結果とは異なる差異が発生することになります。特許取得のガスフロー=ガス分岐スプリッターとバルブを使い、深く検証された素材と設計によって、ガス拡散リークは最小限となり、ガス交換測定がより高精度で再現性のあるものとなっています。
フローコントロール フローコントロール
―― 0~2.5L/分

流量は小型マスフローメータで精密に測定され、最大2.5L/分(リーフチャンバー内は0-2L/分)でガス流量をコントロールします。これによりチャンバーを未だかつてないレベルで制御することが出来ます。特許のバルブシステムにより、ガス流量の高速制御が実現しました。
温度コントロール 温度コントロール
―― 葉温度で±10℃

LI-6800は葉温度での温度制御ができます。
電子冷却により、設定に応じて、葉温度・チャンバーエアー温度・ブロック温度での制御ができます。制御までのスピードは速く、安定した後は測定が終わるまで、その設定を維持します。葉温度での制御は、周囲気温から+/-10℃の範囲で可能となります。
CO2コントロール CO2コントロール
―― 0→2,000ppmの全域

LI-6800は、スクラブ薬品でCO2を除去し、液化CO2ボンベから気化CO2を追加することで、CO2濃度を自動的にコントロールします。装置は速やかに、0-2,000 umol mol-1のレンジで、自在にCO2濃度制御が行えます。8gの液化CO2カートリッジ1本で最大8時間まで継続的にCO2コンディションを維持できます。付属パーツの使用で、外付けの液化CO2ボンベを装置に接続することも可能です。
光コントロール 光コントロール
―― 0→2,500umol m-2 s-1

LI-6800はクロロフィル蛍光測定ユニット、もしくは3x3cm LED光源で、自動的に光をコントロールします。光源は十分な均一照射性能で、最大2,500umol m-2 s-1まで照射ができます。 光の均一性能は、チャンバー開口部の90%以上の面積で、+/-10%未満の変動しか発生しません。よって、測定葉面での、光と光合成活性の評価を、より正確に行うことができます。光源は、赤と青のLEDを搭載し、それぞれ独立制御することも可能です。また、LEDのため、低電力であり、葉温変動に与える影響はわずかです。
H2Oコントロール H2Oコントロール

LI-6800は、完全自動でチャンバー内湿度をコントロールすることが可能です。導入ガスを除湿薬剤と加湿セラミック通過させ、相対湿度0-90%で自動制御ができます。制御までのスピードは速く、mmol/molでの設定や相対湿度、VPDLでの制御ができます。これにより、完全安定環境での測定ができ、特に気孔コンダクタンスの研究を詳細に行うことができます。

LI-6800 植物光合成総合解析システム

同一面積でのガス交換とクロロフィル蛍光同時測定

6800-01F マルチフェーズフラッシュ(Multiphase Flash™)クロロフィル蛍光測定ユニットは、6cm2の葉面にて、PAM(パルス変調)蛍光方式でのクロロフィル蛍光測定とガス交換測定が全面均一光環境下で同時計測ができます。

また変調と非変調のクロロフィル蛍光シグナル照射が行えます。
クロロフィル蛍光ユニットは、測定エリア全体での連続蛍光誘導され、暗処理もしくは明環境下での蛍光パラメータ「Fo、Fm、F、Fm’、Fo’」を計測することができます。それらから、「Fv、Fv/Fm’、Fv’/Fm’、ΦPSII、qP、qN、NPQ、ETR」が算出されます。

6800-01F クロロフィル蛍光測定ユニットは、正確にFm’を推定するための、マルチフェーズフラッシュ(Multiphase Flash™)にて、飽和フラッシュ光の照射を行うことができます。 マルチフェーズフラッシュは、1秒未満の飽和光1回の照射で、正確な最大蛍光収率『Fm’』を算出することができる新しい手法です。(Loriaux et al.,2013)

 

飽和照射光は、最大16,000mol m2 s-1まで、照射設定が可能です。

LI-6800グラフ LI-6800グラフ
矩形飽和パルス光は、照射強度と照射時間をグラフィックインターフェースにて設定を行うことができます。 マルチフェーズフラッシュ(Multiphase Flash™)の各フェーズの照射強度と時間、光減衰を視覚的に確認することができます。
暗処理した葉でのETR計測グラフ
2台の装置での計測において、マルチフェーズフラッシュ(Multiphase Flash™)で測定されたETRは、ガス交換での光合成速度と一致していることが報告されています。

Loriaux, S. D., Avenson, T. J., Welles, J. M., McDermitt, D. K., Eckles, R. D., Riensche, B. and Genty, B.
Closing in on maximum yield of chlorophyll fluorescence using a single Multiphase Flash™ of sub-saturating intensity.
Plant Cell Environ, (2013), 36: 1755–1770. doi:10.1111/pce.12115

基礎から応用まで様々なニーズに対応

多用途でプログラム可能

 

LI-6800は、簡易な環境制御設定とその後の素早い安定制御機能により、どなたでも正確な光合成測定を行えるポテンシャルを持っています。また、研究目的を満たすために装置をカスタマイズする必要が出てきた場合でも、応用的にご使用いただけます。
反応曲線といった、標準的な自動測定プログラムは初期の段階で含まれており、顧客のご要望に応じた実験用に簡単に修正することができます。また、Pyton™ プログラミング言語を使うことで、カスタムの自動測定プログラムを作成することもでき、装置をアプリケーションに応じ、フレキシブルにアップデートすることが可能です。


 

計算式が組み込まれたエクセルファイル

 

データ処理を簡素化するために、LI-6800のデータファイルは関数計算式が組み込まれたフォーマットで保存することができます。(LI-6400XTと同様)
よって、葉面積や境界層コンダクタンスといった変数を変更し、再計算することが容易で、データの再処理は一瞬でできます。

 


ネットワーク機能

 

最新のネットワーク機能により、LI-6800はローカルネットワークやインターネットに直接接続することができます。
この機能により、研究室、温室もしくは教室にいようと、遠隔地からLI-6800を監視・制御することができます。また、メイワフォーシスの専門技術スタッフによる遠隔から装置の状況検査が可能となります。フリーの通信ソフト「WinSCP」にて、PCへのデータ転送は簡単に行うことができ、付属のソフトウェア(Mac用。今後Windows用も公開予定)を使用することで、お持ちのPC画面で装置の制御を行うことができます。実習や公開講座などで、画面を大型モニターやプロジェクターに移すことで、大人数で同時に光合成の状態や装置の状況を確認することもできます。


新型LI-6800と従来機LI-6400XTとの比較

1) 生理学的パラメータ評価におけるLI-6800のシステムパフォーマンス Poster_LI-6800 Performance vs LI-6400

D. Lynch1 , L. Yuan1, A. Saathoff1, T. Avenson1, P. Morgan1 1 LI-COR Biosciences, Lincoln, NE, USA (envsupport@licor.com);

下のグラフは新型LI-6800と従来機LI-6400XTを用いて、4分間の安定状態のガス交換測定を比較しています。(葉を挟んでいないチャンバーと暗所でソルガム(Sorghum bicolor)の葉を挟んだチャンバーで比較。)
新型LI-6800でのパフォーマンス改善により、従来機LI-6400に比べ、IRGAのノイズとCO2ミキサーからのノイズが軽減されていることがわかります。 また、新型LI-6800での測定値はCO2サンプルがリファレンス値に近いものとなっています。これにより、チャンバーへの拡散を軽減し、パラメータ評価のバイアスも軽減しています。

LI-6800 植物光合成総合解析システム 生理学的パラメータ評価におけるLI-6800のシステムパフォーマンス

【メソッド】
LI-6400XT 3台 (6400-40 クロロフィル蛍光ユニット/葉面積 2 cm2 )
LI-6800 3台 (6800-01 クロロフィル蛍光ユニット/葉面積 6 m2 )
【環境面の制御】
フローレート: 600 μmol s-1 (LI-6800) /  300 μmol s-1 (LI-6400XT)
CO2 リファレンス: 400 μmol mol-1  VPD Leaf: 1.5 kPa
葉温: 25°C
照射光:OFF
実験室内の周囲CO2は実験の前後に~1000 μmol mol-1で測定。 データは4分間1秒間隔で記録。
ソルガムの葉を測定時どの葉もデータ記録前に60分間暗処理。



2) LI-6800光合成測定システムを用いた、
 測定済光合成的ガス交換パラメータにおける拡散エラーの最小化 Poster_LI-6800 Performance vs LI-6400


D.J. Lynch1, A.J. Saathoff1, P.B. Morgan1, T.J. Avenson1, J.A. Cruz2, M.A. Johnson1, S.C. Johnsen1, R.R. Anderson1, J.I.E. McCoy1, N.R. Hiser1, R.D. Eckles1, D.K. McDermitt1, D.M. Kramer2 and J.M. Welles1 1LI-COR Biosciences, 4647 Superior Street, Lincoln, NE 68504, USA 2Department of Biochemistry and Molecular Biology, Michigan State University, 612 Wilson Road, East Lansing, MI 48824, USA

ガス交換測定システムにおいて、バルクフローと拡散リークにより、ガス交換(A)と蒸散(E)といった計算されたパラメータにおけるエラーが発生します。エラーはこれらのパラメータが元としている基本質量バランスに影響が出ることによって発生します。

これらのエラーは、気孔コンダクタンス(gsw)・細胞間隙CO₂濃度(Ci)・最大ルビスコカルボキシラーゼ活性(Vcmax)・最大電子伝達速度(Jmax)といった生理学的に重要な他のパラメーターにおけるエラーにも伝わることになります。 (Flexas et al. 2007; Long and Bernacchi 2003; Rodeghiero et al. 2007)

葉の形態・葉のCO₂とH₂Oのフラックスの大きさ・周りを囲まれた葉面積、ガスケットと他の材料の材料特性・ガスケットの濃度勾配といった複数の相加因子がシステムパフォーマンスにおいてリークの総合的な影響を決めます。(Long and Bernacchi 2003; Rodeghiero et al. 2007)

以下のグラフでは、新型LI-6800はLI-6400XTと比較し、改善されたリーク特性を示したものです。 LI-6400XTは以前報告のあったリーク率係数(k)より遥かに低いものを示しています。 平均のk= 0.20 (今回の研究) vs. k = 0.46 (LI-COR 2011)

LI-6800はより低い平均リーク率係数を示し(k = 0.077± 0.018) 、今回テストされたLI-6400XT (k = 0.20 ± 0.092)よりばらつきが少なかったことがわかります。

LI-6800光合成測定システムを用いた、
測定済光合成的ガス交換パラメータにおける拡散エラーの最小化


LI-6800とLI-6400XTをそれぞれ4台ずつ用いて実施。

データ収集の際に使用したチャンバーですが、LI-6400XTの場合は6 cm2の面積で標準2x3チャンバーを使用し、LI-6800の場合はクロロフィル蛍光ユニットを使用しました。

8台の装置は全てPercival Scientific AR-41L2クロスチャンバー(左図のように セットアップ)に組み込み、LI-820が周囲のCO2濃度(~1950ppmで制御)をモニタリングしました。

References:
Flexas, J., A. Díaz-Espejo, J. Berry, J. Cifre, J. Galmés, R. Kaldenhoff, H. Medrano and M. Ribas-Carbó (2007).
"Analysis of leakage in IRGA's leaf chambers of open gas exchange systems: quantification and its effects in photosynthesis parameterization."
Journal of Experimental Botany 58(6): 1533-1543.

LI-COR (2011).
“Using the LI-6400 / LI-6400XT portable photosynthesis system”
Version 6. Lincoln, NE USA.

Long, S. P. and C. J. Bernacchi (2003). "Gas exchange measurements, what can they tell us about the underlying limitations to photosynthesis? Procedures and sources of error."
Journal of Experimental Botany 54(392): 2393-2401.

Rodeghiero, M., Ü. Niinemets and A. Cescatti (2007).
"Major diffusion leaks of clamp-on leaf cuvettes still unaccounted: how erroneous are the estimates of Farquhar et al. model parameters?"
Plant, Cell & Environment 30(8): 1006-1022.

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