火山の活動により立ち上がる、噴煙(火山ガス)の主成分は、H2Oですが、CO2やSO2、H2S、H2などが1%前後含まれております。これらの各種ガスは、マグマの組成やマグマから火山ガスが放出された条件により、微量ではありますが、成分比が変動するため、地下でのマグマの動きの指標となり、火山活動の評価を行う際の重要な情報となります。
LI-850は、システムを現場で稼働させる上で必要な、軽量・低消費電力という特長があり、火山ガス中にわずかに含まれるCO2を1ppmレベルで正確に検知ができる精度を兼ね備えております。その性能により、現場でリアルタイムに火山ガス成分比を計測することができ、他社のセンサーと共に、システムに組み込まれ使用されております。
外観(左)と内部(右)。
外気をポンプで吸引し、火山ガス成分を各センサーで測定し、その変化をデータロガーに記録します。
各成分の濃度変化(左)、各成分の濃度ピークの面積の比較(右)。
ピーク面積の比は元の火山ガス中の組成比に等しい。 H2Oは大気中の濃度変動が大きいため、ピーク面積の相関がやや劣っている。
資料御提供:産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門 篠原 宏志様
LI-850はその測定精度と安定性能、軽量サイズ、低消費電力などの特長により、航空機搭載の 二酸化炭素(CO2)計測システムのセンサーに採用され、世界の大気CO2観測に活用されております。
このプロジェクトには、日本航空、国立環境研究所、気象庁気象研究所、株式会社ジャムコ、 公益財団法人JAL財団が共同で推進しており、最近では米国ボーイング社の協力も得るなど、 国際的にも注目されているプロジェクトです。
航空機の中に積み込む、取り外し可能なCO2濃度測定システムです。 航空機の上昇中、巡航中、降下中にCO2濃度を連続して高精度で測定・記録を自動で行うシステムです。 このシステムにLI-850が搭載されており、CO2の高精度測定をしています。 「CONTRAIL」プロジェクトにより、世界の上空におけるCO2濃度の観測値が飛躍的に増えており、 世界の地域別のCO2濃度の季節変動を明らかにするなど、地球環境をモニタリングする上で大変重要な観測となっております。
上の図は高度8kmから10km付近における4月と7月のCO2濃度の分布を表しています。陸上植物の光合成などの影響を受けて、CO2濃度は上空においても緯度や季節によって大きく異なっていることがわかります。(グラフ引用先:Sawa et al., JGR,2012)
追記
この記事を作成するにあたり、国立環境研究所 地球環境研究センターに監修をしていただきました。
ボーイング・エコデモンストレーター787がフライトを開始し、フライトの全段階における航空機の環境パフォーマンス改善を目的とした25以上の新技術の試験を行うことになりました。
ボーイング・エコデモンストレータープログラムにおいて、飛行効率の改善と騒音削減を可能にする試験・改良・新技術やメソッドの採用が進められることになります。
この787ドリームライナーZA004機を使った新しい試験により、次の4つが評価されます。
・操作効率に関連のあるソフトウェアや接続技術
・配線を削減するためのリモートセンサー
・燃費を大幅に改善するための空力制御およびフライトコントロールの改善
・氷の蓄積を削減するための凍結防止用ウィングコーティング
LI-COR社製CO2アナライザーとGFDL ガスフロー・データ記録システムとの組み合わせで1台の分析計で多点のガス分析を行うことができます。
1台の分析計で測定をしますので、器械誤差のない正確な濃度差の測定をすることができます。
また、GFDLは、自動CO2校正ガス通気経路を組み込むこともでき、無人でガス校正を行いながら正確な絶対濃度を計測するシステムを組むこともできます。
チャンバーを用い、呼吸測定や光合成測定用途としての製作納入経験があります。
資料請求などもこちらからどうぞ。お気軽にお問い合わせください。